2018年5月の経済財政諮問会議で、2040 年度時点の社会保障給付費が最大で約 190 兆円に達するとの試算結果を公表しました(2018 年度は 121.3 兆円)。
そのうち、医療費は図1-3に示すように、2018年度39.2兆円が2025年には47.4 兆円、2040年には66.7兆円に達すると推計されています。介護費用は2018年度の10.7兆円が2025年で15.3兆円、2040年には25.8兆円になる見通しです。
医療費と介護費の合計額は、2018年が49.9兆円、2040年には92.5兆円と1.84倍にも達することになります。高齢者が増加するために医療費および介護費を共に押し上げることになるのです。
そこで政府は、医療費の増加に対して所得が一定以上ある後期高齢者の負担を 2割に増やす対策を取らざるを得なくなりました。また、介護費の増加に対しては、介護保険料が2000年(第1期)には全国平均で2,911円でしたが、2021年(第8期には6,014円と2.06倍にも達しました。
このまま増加していくと、低所得層の人たちの生活が破綻しかねません。この状態を改善するには医療費および介護費の抑制を図ることが不可避だと考えられます。